大胸筋といえば、身体の前面にありここを鍛えることで男性らしい厚い胸板を作れます。
筋トレにおいては、腹筋と人気を2分する部位ではないでしょうか。
私もそれに倣い、迫力のある大胸筋を作るためにメインに据えたのはベンチプレスでした。
しかし、このベンチプレス重量を伸ばすのにもっとも苦労し、今も重量を上げることに熱意を注いでいる種目でもあります。
ベンチプレス100kgを達成するには?
ベンチプレスで狙うのは、大胸筋の中部から下部となります。
いわゆる、トレーニングのBIG3と呼ばれる種目ですが、私には苦手な種目で最初は体重と同じ重量を上げるのもやっとでした。
ベンチプレスは、重量や回数をこまめにかえるクラスターセットを用いてあの手この手で重量を上げていきました。
まず、私はパワーリフターのベンチプレスを参考に、彼らのよく使うパワーフォームの習得から入りました。
ベンチ台に脚を置きしっかり胸椎を立たせた上で胸郭を開き、肩甲骨を下制内転した状態を作り腰を落として5ポイントコンタクトを作ります。
手幅も試行錯誤し、81cmラインに人差し指から薬指まで自分の肩幅に合わせて調節し、中指に合わせる事で大胸筋への刺激と力をうまく発揮する場所を見つけました。
この辺りで、ようやく自重の重さを挙げることが出来るようになりましたが、伸び悩む事になります。
お尻を上げるベンチプレスのメリット
そこで、2つの大きな改善点を取り入れることで、ベンチプレス100kgの壁を超えることができました。
まず1つ目は、木澤大祐さんのセミナーで聞いたアドバイスです。
トレーニングは対象筋の筋走行に沿って力を発揮する必要があり、ベンチプレスは胸骨が立った状態を作らないといけないが、肩幅の広い人はそれが作りにくい。
改善点として、お尻を上げて大きくブリッジを組む必要があるとの事でした。
それまで、お尻を上げることは厳禁と考えていましたが、試しにお尻を上げた状態で行うと大胸筋への刺激が大きく、脚の力も使いやすいのでより重い重量を挙げることが出来ました。
この時の木澤さんの言葉で印象的だったものがあります。
「我々はリフターではないので高重量をしっかり扱えて筋肉を大きくする為ならお尻を上げても問題ない」
との事でした。
私はそのアドバイスを参考に、お尻を上げるがバウンドや過度に腰を突き上げないであくまで綺麗なブリッジを意識する事を大切にしました。
3セットを5回ギリギリ扱えるセットを行い、その後重量を落としお尻をつけた状態で上半身の力だけで行うベンチプレスを行いました。
週2回のトレーニングでベンチプレスを伸ばす方法
ベンチプレスの重量を伸ばすにはトレーニング頻度も大切です。
当時の私は、胸を強くしたいあまり週1回で大胸筋のトレーニングだけで9種目各3セットを行なっていましたが、トレーナー仲間のアドバイスもあり、その分量を週2回3日置きに分ける方法へ変更しました。
週1回でやりすぎると後半は疲労でカタボリックを起こし、週に1度では筋合成のスイッチを押す回数が少ないという結論です。
つまり、週2回行う分1日に行う種目は3種目程度にとどめ、2回ともベンチプレスを行うが1日目は高重量の5回5セット、2日目は10回3セット扱える重量へ落とす事で、神経系の回復とフォームの習得に努めました。
さらに、重量もそれまで10kgずつ増加させていましたが、高重量を扱う日に2セット続けて6回以上挙げれた場合は次の高重量の日に5kgずつあげる事で、脳を騙しながら重量を上げていく事に成功しました。
私の身体では、大胸筋は疲労しやすく回復が遅い部位でしたので、結果的に上記の方法に切り替えて半年後には100kgの壁を越えることができ、現在も重量を伸ばし筋肥大をさせる事に成功しています。
このようにベンチプレスの重量を伸ばす過程で、自分の身体を知り、試行錯誤していく事で身体はより進化するのだと勉強になりました。
(文・翔)