柔道部の坂道ダッシュは、大殿筋を鍛えられるHIIT

高校・大学と柔道部に在籍していました。柔道というスポーツは全身運動です。

一般的なイメージ通り、腕をはじめとした上半身の筋力が必須なのはもちろんですが、同じくらいに足腰の強さやバランスの良さ、そして長距離と短距離とを兼ねた心肺機能などが求められます。

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柔道の競技力に直結した坂道ダッシュ

様々なメソッドが発達した現代でも、筋力トレーニングと言えば上半身の印象が強いものです。

20数前は尚のこと、足腰を鍛える種目はランニングや相撲の四股、あるいはプロレスでお馴染みだったヒンズースクワットくらいで、あまり一般に広まっていませんでした。そんな時代でしたので、やはりランニングを多く行ってきました。

その中で特に競技力に直結した効果を実感できたのが「坂道ダッシュ」です。

80メートルほどの坂道を全力ダッシュで駆け上がり、下りはインターバルとして歩いて降りてくるもの。止まって休むことはありません。1日8本から10本を柔道部の活動期間は週1回、試験中などで稽古の無い時期には週3回ほど行っていました。

短時間で一気に負荷をかけるので、ウェイトトレーニングに近い感覚で尻の周りを中心に、各筋肉に効いてきます。行う前には坂道に向かうまでの軽いジョギングなど、ウォーミングアップが必須となります。

坂道ダッシュは大殿筋を鍛えられるHIIT

人間が持つ最も大きな筋肉の塊である尻。脚を付け根から激しく上下させる動作によって、主に大殿筋(だいでんきん)という筋肉が鍛えられます。筋肉の量が増えることによって基礎代謝も上がり、尻全体が引き締まってきました。

坂道ダッシュを行ったとき、最も疲労を感じたのは脚の付け根でした。これはちょうど柔道の大外刈りや内またといった技を練習するときに感じるのと同じ疲労であることから、技術に直結したトレーニングであることを感じていました。

相手の技を受けた際にも必要なバランスも養われました。さらに骨盤周りの激しい動きにより、ウェストも引き締まってくるのです。

そして脚の諸筋肉にも強い負荷がかかり、鍛えられます。太ももの前側の大腿四頭筋や裏側のハムストリングス、ふくらはぎの腓腹筋やヒラメ筋といったあたりがパンパンに張ってしまいます。

このあたりは肉離れなどアクシデントの起こりやすい部位なので、ウォーミングアップの際は特に意識しなければなりません。違和感を感じたときは、思い切って中断することもありました。

坂道ダッシュは全身の運動量も非常に多いため脂肪燃焼効果も大きいといえます。筋量アップによる代謝の向上もありながら、脂肪もそぎ落とされていく。昨今、脂肪燃焼を大いに謳った高強度インターバルトレーニング(HIIT)が爆発的に普及していますが、坂道ダッシュはその先駆けとも言えるものです。

緩急をつけ、柔道の試合のイメージで行う

身の回りにも坂道ダッシュを取り入れて1階級、時には2階級下げた選手もいました。強い柔道選手は決してアンコ型ではなく、腰回りの引き締まった体形が多いのです。

坂道ダッシュは柔道の乱取りや試合に近い感覚で心肺機能が鍛えられます。柔道において時間内あるいは相手を仕留めるまで、ずっと攻撃を続けるのが理想ですが、現実はそうはいきません。

常にトップスピードでいることは出来ないので、どうしても緩急をつけることが必要となります。

全力で坂道を駆け上がっている時には、技を連続して繰り出し相手を追い込むイメージ。

下り道では呼吸を整えながら、相手の出方を確認したり組み手争いを行っているイメージ。

そんなイメージを浮かべながら、行っていました。稽古のない時期や上半身を負傷しているときなど、乱取り不足を補うために最適なトレーニングでした。

坂道ダッシュは柔道の競技者として行ってきたものですが、尻や腰回りのシェイプアップや基礎代謝の向上による痩身効果も期待できます。
しっかりウォーミングアップすることと無理せず適度に行うことを心がければ、爽快感も得ることも出来ます。

ちょっときついですが、短時間でも効果絶大です。坂道ダッシュをぜひ取り入れてほしいと思います。