日本人4人目となるIFBBのプロフィジーカーのJinさん。
私がI’M BODY Jinというチャンネルを見つけたきっかけとなった動画では、なんと片手70キロ近いダンベルでインクラインダンベルプレスをしていたのだ。
その規格外の重量ときれいなフォームに周囲の人達は唖然としていた。フィットネス先進国のアメリカに住みワークアウトを趣味とする人達を、だ。
その姿はまるで、「日本だって負けてねえぞ」と主張しているように感じ、とても爽快な気持ちになった。そして同時に強い憧れを抱くようになった。
Jinのように大胸筋上部を発達させたい
Jinさんのフィジーカーとしての強みの1つは大胸筋だと考えている。特に上部はステージ上での迫力を生み出している。
大胸筋は人気の高い部位である。男性はもちろん女性目線からの人気もあり、多くの人が鍛えている。大胸筋を鍛える際に上部、中部、下部の3つに分けて鍛えている人が多いと思うが、その中でも大胸筋上部が見た目において非常に重要だと考えている。
大胸筋上部が見た目に及ぼすメリットとして、
- Tシャツの上からでも大胸筋が分かりやすくなる
- 体を横から見たときに厚みが出る
- 服を脱いだときに肩とのセパレーションがはっきりと出てかっこよく見える
などがあげられる。
では、どうすればJinさんのように見る人を魅了するかっこいい大胸筋上部を作り上げられるのだろうか。
インクラインはバーベルよりもダンベルが良い?
大胸筋を鍛えるのに誰もが思いつく種目は、ベンチプレスだと思う。非常に有効で人気度が高い種目だ。
だがこの種目は大胸筋上部をきたえる種目としては不十分だと思う。
ベンチプレスは地面と平行のベンチ台で行うため、挙上角度が体と平行になる。これだと大胸筋の上部はピンポイントで鍛えることはできない。
大胸筋の上部に効かせるには、ベンチに傾斜(インクライン)をつけて挙上角度を変える必要がある。つまり「インクラインダンベルプレス」だ。
ではなぜバーベルではなくダンベルがおすすめなのか? これには大胸筋上部の筋繊維の方向に関係してくる。
トレーニングの動作は、対象筋の筋繊維と同じ方向に向かって動かすことで、よりストレッチとコントラクションが効き効果が高くなるのだが、大胸筋上部の筋繊維は体に対してハの字に走っている。
バーベルでは軌道がまっすぐに固定され手首の角度も固定されてしまうため、筋繊維に対して有効な動作がしづらくなってしまう。
一方、ダンベルだと軌道、手首の角度ともに筋繊維にそって動作することができるというわけだ。
インクラインダンベルプレスの手順
私がインクラインダンベルプレスを行うときの手順は次の通りだ。
まずベンチの背もたれの角度を約30度に傾ける。角度を急にしすぎると肩に効いてしまい、なだらかにしすぎても大胸筋上部に効きづらくなってしまう。自分に合った角度を見つけだすことが大切だ。
次にダンベルをスタートポジションに持っていき、肩甲骨を寄せて落とし、胸を張る。過度にブリッチをつくると大胸筋が地面と平行になってしまい上部への効きが悪くなる。肩甲骨周辺の力を抜いて、ダンベルの重みを生かすことで、適度なブリッチを作りやすくなる。
そして、重要なのがダンベルをハの字にして筋繊維と方向を合わせることだ。
インクラインダンベルプレスをやりこむとともに他の種目も行うことで、よりバランスがよくかっこいい大胸筋が手に入ると思う。様々な種目にもチャレンジしていくべきだろう。
インクラインダンベルプレスに力を入れることで私は大胸筋をほめられることが多くなった経験がある。
Jinさんのような大胸筋を手に入れるのは難しく至難の業かもしれない。しかし、いつか自分もあの動画のようになれたら、と強い憧れを持ちトレーニングを続けることが日々の成長を生むと思う。