ラグビーはポジショニングによってかなり役割、運動量、身体の使い方が変わってくるスポーツです。大学ラグビー部で自分が担当していたポジションはフォワード。
このポジションは常に相手と身体をぶつけ合うことを要求され、かなり強靭なフィジカルが必要でした。ゲーム開始直後から味方の進路を作るため、もしくは相手がボールを持つ仲間に接近するのを防ぐために相手チームのフォワードとぶつかり合います。
ここでは自軍のフォワードが壁であり、壁が崩れてしまうと一気に相手の侵攻を許してしまい、自軍のパス回しもままならなくなります。いかに相手を長く抑えることができるか、もしくは相手の壁を崩すかが肝になってきます。
相手の壁を崩すことができれば、味方の進路を作って、足の速い選手が一気に距離を詰めることができます。フォワードは形勢逆転も狙えるポジションです。
下半身の強さから生まれるバランスの良さ
このようにフォワードは全体的なフィジカルが必要なポジションであり、瞬時に相手を抑え込むための瞬発力、持続力、バランスを崩しても立て直すことができる能力が求められます。
これらを生み出す原動力は下半身の筋肉です。下半身の筋肉が強ければたとえ上半身に強い衝撃を受けて仰け反ったり、バランスを崩すことがあってもポジショニングを立て直すリカバリーが強くなります。
つまり、下半身の筋肉の発達に伴いバランス感覚も強くなるということ。強い体幹と下半身のおかげで柔軟にバランスを取ることができれば、怪我に繋がる動きを回避するとができます。
こうした動きができるようになる頃には、太もも、ふくらはぎが特に大きく発達しているはずです。フォワードの人は皆強靭な足腰の持ち主でしたが、ラグビーほどのハードなトレーニングでなければここまで発達することもなかなかないとは思います。
ラグビーのために最重要な筋トレ種目はスクワット
フォワードのポジションを耐え抜くために行ってきたウェイトトレーニングは基本的にはバーベルを担いでのスクワットになります。
スクワットは大腿四頭筋(太ももの前側)、ハムストリングス(太ももの裏側)、臀部、ふくらはぎ、体幹を鍛えることができます。
足を開く幅や身体の角度、バーベルを担ぐ位置によってかなり効き方が変わる、シンプルに見えて難しい種目でもあります。
基本的なスクワットのトレーニングフォームは二種類に分けることができます。まず「ハイバー」と呼ばれる肩の高い位置(僧帽筋に載せるイメージ)で担ぐことで姿勢がやや直立し、大腿四頭筋を中心に効かせることができます。
次に「ロウバー」と呼ばれる肩甲骨の上あたりに担ぐことで、ハイバーよりも姿勢が前傾し、ハムストリングを集中的に鍛えることができます。
どちらも膝よりも少しお尻が沈むくらい深くしゃがむフルスクワットというやり方が基本です。しゃがみが浅いと股関節の付け根ばかり発達してしまうので非常にアンバランスに筋肉がつき、怪我をしやすい身体になってしまう印象があります。
スクワットをやり込むメリット
スクワットは体幹や足腰を鍛えることで日常生活をかなり楽にしてくれると思います。
柔軟な足腰や引き締まった下半身になります。身体の筋肉の約70%は足の筋肉ですので、足の筋肉を集中的に鍛えることで代謝アップが見込めます。
代謝がアップすると、例えばジョギングなどを行ったとき、より多くの脂肪を燃焼することができます。何より足腰が強くなれば他のトレーニングも、より強い強度で行うことができます。
スポーツのためにも、健康や魅力的な外見のためにも、まずはスクワットをやり込むのが良いと思います。