社会人になってからも野球のピッチャーを続けている私は球速を高めたいと思い、ウエイトトレーニングを本格導入した。
高校からウエイトトレーニングをやってはいたが、そのときは全体練習の決められたメニューをこなしていただけである。
いわゆる走り込みや腕立てや腹筋など自重トレーニングでパフォーマンスを上げようとしていたが20代中盤に差し掛かり、肉体的にレベルアップが難しくなってきたと感じた。
そこで、ウエイトトレーニングに目をつけた。
クーニンズ投手の前沢力に筋トレを学ぶ
プロでもないただの一般人だった私はトレーナーに見てもらうことはせず、動画越しに参考になる人を探していた。
ちょうどその頃、「軟式野球最速」「150kmプロジェクト」といった言葉で注目されていた投手がいた。
草野球・クーニンズ投手の前沢力さんだった。
最近は動画で自ら出演したり、ブログ等で簡単にトレーニングの解説ができる時代。
前沢力さんの凄いところはピッチャーに必要なトレーニング知識が豊富なところ、それをわかりやすく解説していただけるところだと思う。
そこから私は、少しずつ前沢力さんの出している動画を参考にしていろいろなトレーニングに目覚めていった。
ピッチャーの怪我を防ぐ菱形筋
さて、ここからは、私が重要視している部位(ターゲット)を解説するという。
それは菱形筋という背中の筋肉。
少し聞き慣れない筋肉だが、とても大事な筋肉なので鍛えておいて損はない。
菱形筋は背中の中心部に張り付いている中くらいの筋肉。肩甲骨を引き寄せる際に作用し、胸を張る際に使われる。
前沢さんが背中を鍛える重要性を訴えているようにピッチャーにとって怪我予防する大事な箇所である。
肩甲骨を後ろに引っ張っているだけあり、この筋肉が弱ってくると肩が前に前に出てくる形になり(いわゆる、巻き肩)、肩甲骨を上手く使えない状態に陥りやすい。
また、現代はスマホの普及、デスクワークの増加により姿勢の悪化が指摘されている。
これは前屈みの姿勢を続けることで菱形筋をはじめとする肩甲骨を支える筋肉が弱くなり姿勢悪化を招くとされている。
社会人として野球を続けていく上で、デスクワークやスマホで姿勢が悪くなった状態で練習をつづけると肩を痛めることにもなりかねない。筋トレで菱形筋をしっかりと鍛えておきたい。
菱形筋を鍛える自重トレーニング
今から解説するのは、手軽に誰でも行える菱形筋エクササイズである。
ダンベルやバーベルを使って鍛えることが可能だが菱形筋は十分お手軽エクササイズで鍛えられる。
私は、試合前のアップのほか、日常生活の中でもやりたいと感じた時にやっている。
手順は次の通り。
- 立ったまま両腕を90度真横に広げる。その時、掌は地面と平行になるのが望ましい。
- その姿勢のまま、肩甲骨を背中に引き寄せることを意識して、掌を真後ろに引く。そして戻す。
- 30回を2~3セット行う。しんどいと感じたら、回数やセット数を落として行っても可。
ちょうちょがリズムよく羽ばたかせているような動きをイメージすると上手くできると思う。
元々、私も肩が前に出ており、肩こりに悩まされたり、ピッチャーをしていて肩を痛めてしまったことがあった。
このエクササイズを取り入れることで肩の心配をせずに練習できるようになった。