モンスター安治川(安治川正人)さんは、私が数々のマッチョ達を拝見してきた中でも断トツででかく見た目はもはやアベンジャーズに登場するハルクの実写版ではないかと思うぐらいの身体をしています。
安治川さんは、まだ大会などには出場していませんが、圧倒的なバルクを持っており、男なら誰しもが憧れるのではないかと思います。
規格外のパワーを持つモンスター安治川
筋肉量も規格外なのですが、トレーニングで扱う重量も規格外で馬鹿げています。
ベンチプレスでは、250Kgを、デッドリフトでは、340Kgを、インクラインダンベルプレスでは85Kgを10回、ダンベルショルダープレスでは70Kgを20回以上も持ち上げます。
これらの数字だけみても凄まじいですが、安治川さんの魅力はトレーニングの丁寧さなのです。85Kgのダンベルでインクラインプレスを限界までやったとしてもダンベルを床に落とすことなく膝の上に戻してダンベルをラックにかけます。こういった器具を大切にする姿勢も筋肉を大きくできた要因のひとつなのではないかと私は考えます。
こんな高重量を持ちあげる安治川さんの大胸筋や脊柱起立筋は、本当に絵で描いたような形や立体感があります。私も、筋肉を大きくするには、高重量のみを行えば良いとは思いませんが、人間が持ち上げることなど想像できない重さを何回も持ち上げている安治川さんのトレーニングを見ていると、モチベーションが上がります。
安治川さんはパーソナルトレーナーをやりながらYouTubeにも動画をちょくちょくですが公開しています。その中の一つに軽自動車を素手でひっくり返すという動画があるのですが、もはや人間ではないです。筋肉量やパワーなどをトータルで見ると、安治川さんは日本で一番ではないかとさえ思えてきます。
デッドリフトで脊柱起立筋を鍛えるメリット
その人の筋力を図る尺度となる種目といえば、フリーウェイトで行うビッグスリー(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)ではないでしょうか。そして、この3種目の中でもとりわけ高重量を扱えるのがデッドリフトです。
モンスター安治川さんの規格外のパワーに一歩でも近づくためには、このデッドリフトの重量を伸ばしていく必要があります。
デッドリフトの主なターゲットは脊柱起立筋です。この筋肉は首あたりから腰まで付いているとても長い筋肉で、棘筋、最長筋、腸肋筋の3つの筋肉を総称して脊柱起立筋と呼ばれており、背中の真ん中を縦に走っています。
脊柱起立筋が弱いと腹直筋などの前面の筋肉とのアンバランスを引き起こしてしまい、猫背になってしまいます。なので脊柱起立筋を鍛えると背筋を真っ直ぐにすることができます。
また、脊柱起立筋をしっかり肥大させることができれば、後ろから見た時に背中の真ん中の線がくっきりと出てきてたくましさ、男らしさが増し、スーツなどきっちりした服を着た時にしっかり着こなすことができます。
他にも、脊柱起立筋は首から腰にかけて走っている大きな筋肉なのでしっかり鍛えると基礎代謝が上がり、ダイエットに繋がり、痩せやすく太りにくい身体を作ることができます。
デッドリフトのやり方
デッドリフトを日本語に訳すと「死(者)の挙上」という意味になります。まさに全身を使って行う死ぬほどきついトレーニング種目であると私は考えます。
デッドリフトは日常生活動作の中にもある動きで、下半身と下背部の大筋群を総動員できることから、高重量を扱いやすい種目です。初心者の方でも割と高重量を扱うことができます。
やり方はとてもシンプルで床に置いてあるバーベルを腕を伸ばしたまま背中で持ち上げる、という簡単な動きです。
足幅にはナロースタンスとワイドスタンスがあり、パワーリフティング競技を除けば、一般的にはナロースタンスで行います。足幅を腰幅程度にとって直立し、そこから地面に置かれたバーベルを握るために、両手を下げていきます。バーの握り方はオルタネイトグリップといって、片側をオーバーグリップ、もう片側をアンダーグリップというように互い違いに握ることでバーを保持しやすくします。
バーを挙げる動作を膝を伸ばしたまま行うとスティフレッグドデッドリフトという、ハムストリングをターゲットとする別の種目になります。スタンダードなデッドリフトではバーを挙げるときは膝は曲げた状態になります。
デッドリフトのバーを引き上げる動きは、スクワットで立ち上がる動きと似ていると思われるかもしれません。しかし、両者をしっかり区別しておくことはデッドリフトをマスターする上では重要です。スクワットで立ち上がる動作と異なるのは、デッドリフトにおいては、股関節を蝶番のように動かすヒンジ動作で行う点です。
スクワットとヒンジの違いは背中の角度によって見分けることができます。動作を通じて背中の角度が一定に保たれている場合は、膝と股関節の両方を使ったスクワット動作になっていると考えられます。
ヒンジ動作における背中の角度は、最初お辞儀をした姿勢から直立姿勢へと変化していきます。そのため、スタート姿勢はスクワットに比べてやや腰高で、上半身の前傾も強くなります。
デッドリフトを行う際には、背筋を一直線に伸ばしたまま行います。背筋を丸めてしまうと腰でバーベルを引いてしまうので腰を痛めてしまいます。反対に、腰を反った姿勢も腰周辺の筋肉に負担を集中させてしまいます。背中は丸めず、反らない、ということを心がけましょう。
また、肺に空気をためて腹に力を入れ、腹圧をかけると背骨が安定して怪我をしにくくなります。この腹圧をサポートしてくれるのがトレーニングベルトです。デッドリフトを行う際にはトレーニングベルトを装着して腹圧を高め、腰を守るようにしましょう。
フォームが安定し、筋力がついてくると、あえてベルトをせずに自然に働く腹圧を高めるというトレーニング方法もありますが、これはある程度レベルが上がってからと考えておいた方がよさそうです。
回数の目安は一般的な筋トレと同じように8回~10回を目安に3セットくらいで始めるとよいでしょう。ただし、高重量を扱えるようになってくると、高回数を行った場合にセットの後半でフォームが乱れ怪我につながることがあります。
デッドリフトに関しては6回以下の低回数で行う人も多いようです。さらにバリエーションとしては、中・上級者向けにはなりますが、2回を5セットというように、回数を減らしセット数を増やすやり方もあります。こちらはより重量を伸ばすことにこだわったセットの組み方になります。
頻度もあまり多いと疲労がたまりやすいので週に1回か、多くても2回までとし、自分の体調を気にかけながら地道に重量を伸ばしていくとよいでしょう。
(文・りょー)