30代で競技復帰…プリズナートレーニングを選んだ陸上マスターズ

若いころのやり方でケガ…陸上マスターズがプリズナートレーニング

12年間陸上競技の短距離走の選手として活動。30代となってからマスターズ陸上の選手として復帰した方に、陸上のトレーニングにも有効なプリズナートレーニングについて教えてもらいました。

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陸上短距離走では、下半身だけでなく上半身の筋力も重要で、全身をくまなく鍛えないといけません。

スピードを出せる筋力を取り戻すために復帰当初は、現役の頃に行っていたのと同じ、バーベルを使ったウェイトトレーニングを再開しましたが、扱える重さが増えていくのにつれて、肉離れなどのケガも増えてしまいました。

これは、運動不足の頃に増えた体重と、加齢に伴って関節などが弱まり、部分的に鍛えた筋肉では走った際にかかる負荷に耐えられなくなってきたからだと推測しました。

そこで、関節も含めた全身のバランスの取れた筋力アップと、全身の筋量を増やすことで代謝を上げて、体重を落とすことを狙いとして、アメリカで元囚人が開発した自重トレーニング、通称「プリズナートレーニング」を取り入れてみることにしました。

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全身を鍛えられるプリズナートレーニング

プリズナートレーニングは、全身の筋肉をバランスよく鍛えることができます。

ここが特に一般の方にも行っていただきたいメリットです。腕立て伏せやスクワットといった比較的身近な全6種目のトレーニングを、それぞれ10のステップに分けて、段階を追って進めていきます。

重りを使ったウェイトトレーニングやマシントレーニングでは、一部分に偏った筋肉が発達して、筋力が上がっても他の部分とのバランスが取れず、思ったような力が発揮できなかったり、ケガを招いてしまうことがあります。

プリズナートレーニングのステップ1は、トレーニング初心者でも簡単に行えるものが多いです。しかしこの簡単な種目からちゃんと順番に行っていくことで、徐々に高負荷のステップのトレーニングにも耐えられるような力がつき、ケガを防ぎながら無理なく全身を鍛えていくことができます。

一般の方が筋力トレーニングを行おうとすると、どうしても見栄えの良い上半身のトレーニングに偏り、きつい下半身のトレーニングは敬遠しがちです。

しかし、プリズナートレーニングでは、全身の筋肉の協働も含みながら6種目のトレーニングが構成されているので、1~2種目だけを選んで行ったのではうまくいかないと思います。

自宅や公園でできるプリズナートレーニング

ほとんど用具を使わず、ジムに行く必要がないのも大きな魅力

プリズナートレーニングについて解説した本を見る限り、自分で用意する必要のあるものはバスケットボールくらい。それも、負荷として使うのではなく、姿勢の補助として使います。バスケットボールでなく他の物でも代用できます。

重りを使わず、自分の体重を使ってトレーニングを行うので、用具を買いそろえたりジムに行ったりするお金は必要ありませんし、自宅でできるので行き帰りの時間もかかりません。段差や手すりのようなものがあればよいので、近所の公園で対応可能です。仕事で忙しい人や、お小遣いが少なく金銭的に余裕のない人でも気軽にトレーニングできる点が優れています。

ダイエットにも効果があるプリズナートレーニング

特別にスポーツをやっていないダイエッターや健康志向、筋トレ愛好者の方にとっても有効です。

散歩やジョギングと組み合わせてプリズナートレーニングを行うことで、代謝をアップさせて自然と体脂肪が落とすことができます。引き締まった均整の取れた体が出来上がっていき、体重を落としただけでは得られない理想の体に近づいていくでしょう。

6種目のトレーニングのステップの最初は、トレーニング初心者でも簡単にできるようなものばかりで、始めるハードルも低いです。プリズナートレーニングは競技者だけでなく、一般の方にもぜひ取り入れてみてほしいトレーニング方法です。