短距離ランナーの筋肉質な体型を作るハーフスクワットのやり方

短距離走と長距離走の選手の体つきはよく比較されます。速筋と遅筋の違いを説明する分かりやすい例だからです。

短距離走はガッチリで、長距離走は細身というイメージ。確かにその通りなのですが、実は、いくら短距離といえども走っているだけではガッチリ体型にはならないようです。

社会人の今も競技を続けているスプリンターに、短距離走の体づくりについて解説してもらいました。

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私は高校から始めた陸上競技の短距離を27歳になった現在でも実業団選手として続けています。

陸上の短距離の中でも100メートル走は花形と言われる種目で、今ではテレビ放送されるほど人気が出てきています。

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筋トレも行う短距離ランナー

一般的に足が速い人は生まれつきセンスがあり、元から速いと思われがちですが、実際はそうでもありません。

センスだけでなく、地道な練習を積み重ねることのできる選手が結果的に速くなり、トップ選手になります。陸上競技の短距離ランナーの練習といえば走ってばかりだと想像するかもしれませんが、筋トレもかなり行います。

短距離ランナーが筋トレをする目的は最大パワーをあげるためです。短距離走の記録を上げるためには加速力と最大速度の向上が欠かせません。加速力と最大速度を向上のためには大きな力が体に求められます。短距離選手が大きな体でムキムキなのはそのためです。

短距離走と並行してスクワットを行いお尻に筋肉がついた

短距離選手の体の特徴である厚い胸板や形の整ったお尻、バキバキの腹筋は走る練習だけでなく、筋トレによってできることが多いです。

私自身、高校までは筋トレをしたことがなく、ただ走るだけの練習ばかりしていて、その頃の体はムキムキの体とは程遠い、ヒョロヒョロな体でした。大学の入学式でスーツを着たときはとても貧相な見た目だったと思います。

しかし、大学に入学してから筋トレを始めた途端、体が変わり始めました。特に効果が顕著だったのはスクワットです。

スクワットを本格的に始めてから、最初に変わったのはお尻でした。

それまでの私のお尻はお世辞にも、形が整っているとはいえないものでしたが、スクワットを始めて1カ月が過ぎた頃から、徐々に奥行きが出てきました。半年を過ぎる頃には形の整ったお尻に変わったのを覚えています。

お尻の次に変わったのは体幹部分でした。

お尻、体幹部分が鍛えられた結果、体のシルエットが綺麗になり、貧相に見えたスーツ姿もかっこよく着こなせるようになりました。また、立っている時や歩いている時の姿勢が良くなり、「雰囲気が変わったね」と言われるようになりました。

腹筋も鍛えられるスクワット

スクワットでお腹が変わるの?と思う方もいるかもしれませんが、スクワットで鍛えているのは下半身だけではありません。

重りをつけたバーベルを担ぎ、立ってみるとお腹にグッと力が入ります。バーベルの重さに負けて倒れないようにバランスをとっているのは下半身だけでなく、体幹部分も使います。

実際には腹筋で耐えることができなければ綺麗なフォームでスクワットはできないのです。そうやってお腹に力を入れ、バランスをとり、綺麗なフォームでスクワットをやり続けることで腹筋も鍛えられます。

また、スクワットの良いところは体幹、下半身を同時に鍛えることができることです。重りを使ったほうが効果的かと思いますが、重りを使わなくても、手軽にできるところも魅力の一つです。

運動未経験の初心者でもできるハーフスクワットのやり方

フリーウェイトをしたことのない一般の方にスクワットをしましょうと言ってもやり方や量、頻度の加減がわからない人もいると思いますので、初心者でも安全に効果が出やすいスクワットの方法を紹介します。

私がやっていたのはハーフスクワットといって、お尻を膝くらいまで落とす方法でした。

上半身が前や後ろに傾かないように注意し、ゆっくりお尻から下ろしていくようにしていました。

一番効果が出た方法は週に2回、スクワットを10回行い、1分休憩して、また10回行う、を3回繰り返すというものです。

言い換えるとスクワット10回3セット、セット間の休憩1分、という方法です。

ここで重要なことはスクワットを綺麗なフォームで行うこと。最初の10回は楽なのですが、2セット、3セットと繰り返していくと疲れてきて、フォームが適当になりがちです。最後まで丁寧に行うと怪我をしにくく、効果も上がります。

初めて重りをつけてスクワットをする方は自分の体重の25%を基準にしましょう。例えば体重60kgの方は15kgになります。「軽すぎるのでは?」と思われるかもしれませんが、最初は重さよりもフォームが大切なので、無理のない重量で行いましょう。

ちなみに私が初めてスクワットをした時はちょうど体重60kgで15kgの重りをつけて行い、翌日しっかり筋肉痛になったのを覚えています。

重量を重くするタイミングとしては、3セット最後まで綺麗なフォームでスクワットができて、4セットまでできそうだなと感じた時です。重さを上げる量は5キロずつがおすすめです。

このようにして3カ月くらい続けたら、目に見えて身体が変わるはずです。スクワットをしてかっこいい身体を手に入れましょう。

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私は高校生の頃からウエイトリフティングをしています。大会を見ていると、強い選手は特に足の筋力が発達していて、まるでカエルのような大腿四頭筋を持ち合わせている人がいます。 その中でも、わたしの2つ上の学年で今は日本代表としても活躍してい...