脚がとても細いので、脚を太くしいと思いネットで脚の鍛え方を見ていました。
そこで目にしたのがウエイトリフターの山本俊樹さんです。色々なボディビルダーの脚を見てきましたが山本さんの脚はボディビルダーと同等かそれ以上の脚の大きさをしています。
ここではウェイトリフターである山本俊樹さんがパワーリフティングに挑戦した話題にふれ、後半では実際に山本俊樹さんが指導するスクワットのメニューについて要点をまとめています。
重量にこだわったスクワットで脚をハードに鍛えたい方はぜひご覧ください。
山本俊樹がパワーリフティングに挑戦
山本さんについて色々調べました。すると「黒船来航」という記事を見ました。それは、山本さんがパワーリフティングに挑戦するというものでした。
山本俊樹さんの元々の競技種目はウエイトリフティング。オリンピック種目でもあり、クリーン&ジャーク、スナッチの重量を競う競技です。一方のパワーリフティングはというと、BIGスリーと呼ばれる、ベンチプレス、スクワット、デッドリフトの重量を競う競技です。
ウエイトリフティングもパワーリフティングも共にバーベルを用い、最大重量を競うというところは同じですが、行う種目が異なるために競技特性もかなり変わってきます。
ウエイトリフティングにおいても、パワーリフティングで行うスクワットやデッドリフトは補助種目として行われています。ただ、それはあくまでもクリーンやスナッチの記録を伸ばすためのもの。スクワットやデッドリフトそれ自体の重さを追及することは基本的にはないはずです。ウエイトリフターの地力がパワーリフティングでどこまで通用するのか注目されていました。
さて、山本さんはパワーリフティングの大会は初出場にも関わらず、1試技目にスクワット250kgを上げ2試技目にはなんと日本記録を2.5kg更新する285kgを軽々とあげていました。そして、第3試技で山本さんは300kgをあげ、伝説となります。この数字は世界記録の303kgに迫る記録です。
山本俊樹、驚きのウォーミングアップ方法
また山本さんのスクワットのアップについても話題になっていました。
パワーリフティングのセッションは1グループ8~15人程度で組みます。普通は自分たちのセッションが始まるまでに選手はアップを終えます。しかし、山本さんは自分のセッションが始まってやっとアップを始めました。
山本さんのアップは70kgからスタート。立ち上ると同時に両サイドのセコンドがプレートを足していきます。そうして、1度もラックに戻すことなく70→120→170→220と僅か1分でアップを終了。その瞬間会場中が驚愕したそうです。
脚トレのきっかけとなった山本俊樹の活躍
私はこの記事を見て、唖然としました。他競技の選手がその競技の選手に圧倒的な力で勝つ姿はまさに黒船来航そのものです。パワーリフティングの選手にトレーニングとしてのスクワットで勝てるウエイトリフターはおそらくいると思います。
しかし、パワーリフティングの試合はトレーニングのスクワットとは違って競技としてルールがあります。そのルールは私も簡単な知識しかありませんが、しゃがんだ時の深さ、反動を使わずにあげるなどがあります。そして、3人の審判がその試技を審査して白旗を2人以上あげればその試技は成功です。
パワーリフティングのルールの元、結果を出したウエイトリフティングの選手は山本選手だけだと思います。その山本さんのその行動力もお手本にしたいです。
そして、山本さんがウエイトリフターという点もどこか親近感が湧きます。なぜなら、私が通っていた高校にもウエイトリフティング部があり友達にもウエイトリフターがいるからです。
なのでその友達とも山本さんの話題について話しました。するとその友達も山本さんはウエイトリフティング界でもカリスマ的な存在と言っていて、ますます山本さんに憧れました。自分も山本さんみたいに足を太くしたいと思うようになりました。
重さにこだわったスクワットを行う
私もそうですが、一般の人がウエイトリフターの脚トレを学ぶのは容易ではないと思います。まず手始めに、ウエイトリフティングの方法とは異なりますが、正しいスクワットを学ぶためパーソナルトレーニングを受けることにしました。
そこでは、スクワットはなにより、重さに拘ることと教えられました。
山本さんのスクワットのメニューを見ても低回数高重量で行っていたのでやはりスクワットは重さにこだわることが大切なんだなと思いました。
私は以前までフルスクワットでできる重量を扱っていました。しかしそのフォームだと深くはしゃがめますが高重量を扱うのが難しくなってきます。そのため、フルまでいかずにハーフで行うことにしました。
そのかわりフルで70kg×10くらいだったのをハーフで100×5くらいでセットを組むようにしました。そして、5回目が終わってすぐにパーシャルで30回くらい追い込みます。
ここで脚の余力を全て使い果たすのでとてもキツかったです。これを5セットくらい行いました。セット間のインターバルは5分程度と長めです。
私はフィジークをしています。フィジークはボディビルのように脚は評価されません。しかし、私はそれでも脚を鍛えたいです。なぜなら、脚を太くすることによって代謝があがり減量時にもいい影響をもたらしてくれるからです。
そして、全てのトレーニングの中で一番きついのは脚トレです。普段から脚トレをすることによって上半身のトレーニングがとても楽に感じます。なので、初心者の方こそ脚のトレーニングはするべきだと思います。
(文・ヒグタク)
山本俊樹が指導するスクワットのメニューとは
山本俊樹さんは2021年東京オリンピックのウェイトリフティングで日本代表に選ばれています。
オリンピックを間近にひかえた時期に、ユーチューブで「スクワット200キロを達成する」ためのトレーニング指導を行っていました。
そこでは、高重量のスクワットを目指すときの重要なポイントが惜しげもなく公開されていました。
「いつでもどこでも挙げられる」本来の実力をつけろ!
ある程度重い重量でスクワットをしている人なら知っていると思いますが、扱う重量を段階的に重くする「ピーキング」によって、スクワットの重量は比較的容易に伸ばすことができます。
例えば、試合当日にピークを合わせ、それに向けてピーキングを行えば、スクワットのマックスを更新できる可能性は高いでしょう。
ただし、試合が終わって、コンディションのピークが過ぎれば、スクワットの重量も落ちてしまいます。
山本さんが目指す高重量のスクワットとは、このような一時的に挙げられる重量を伸ばすことではありません。
「いつでもどこでも挙げられる」ことが重要だと、山本さんは強調していました。
ウェイトリフティングにおいてはスクワットは基礎種目であり、試合でスクワット自体の重さを競うことはありません。基礎なのだから、一時的に挙げられるだけでなく、常に挙げられることが重要になります。
いつでもどこでも挙げられる本当の実力を養い、これを土台として、クリーン&ジャークやスナッチといった競技種目の記録を伸ばす狙いがあります。
次に、本当の実力を養いために重要なスクワットのメニューを見ていきましょう。
山本俊樹のスクワットはピリオダイゼーションで伸ばす!
ピリオダイゼーションは、トレーニングをいくつかの期間に分けて、期間ごとの目的に合ったトレーニングを行う方法です。
一般的には、軽い重量を用いて、多くの種目で多くの回数を行うようなトレーニングから始めます。そして、段階的に、重さを重くしながら回数は減らしていきます。
山本俊樹さんのピリオダイゼーションがどのような内容なのか気になりますよね。
筋肥大期からスタート
最初の期間には、「筋肥大」を目的としたトレーニングを行います。
要するに、筋肉を大きくするために、一般的な方法でスクワットを行うというものです。
この段階では、1回のトレーニングで、8~10回できる重量を用い5~8セットのスクワットを行います。レップ数もセット数も多いの特徴です。これにより効率よく筋肥大を狙うことができます。
筋肥大期は3~4週間ほど続けます。
基礎筋力期は5レップ×5セットのMAXを狙う
筋肥大期を終了したら、次に基礎筋力期に移行する。
基礎筋力期では、さらに重い重量を用いて、主に神経系を鍛えて出力を高めることを目指します。
1回のトレーニングで5レップ×5セットのスクワットを行います。これはパワーリフティングでもよく用いられるメニューですが、山本式は重量を固定しないのが特徴です。
1セット目はその日の目標よりも10キロほど重量を軽くして様子を見ます。
そして、3セット目にその日最も重い重量を扱うようにします。3セット目の調子を見て、行けそうなときは4セット目でさらに重量をアップします。
5セット目は、すでにパフォーマンスのピークを出し切った後なので、少し重量を軽くして行います。
このようにして使用重量は、最初と最後が軽めで、中盤が重めという設定になります。結果として、いわゆるピラミッド法に近い方法になっているといえるでしょう。
4セット目で記録を更新できたときは、次のトレーニングでこの重量を3セット目に持ってくるようにします。そして、4セット目で記録を更新できたら、この重量が次回の3セット目の重量になります。
これを繰り返すことで、5レップの重量を伸ばしていくことができます。
基礎筋力期はは3~4週間ほど続けます。
最大筋力期は1~3レップを伸ばす
そして、最後の段階である最大筋力期は1~3レップ×8~10セットを行います。
レップ数が減る代わりに重量を重くし、さらに、セット数も多めに行います。
1~3レップとありますが、できれば3レップがよいそうです。
毎回1回のマックスを狙うというよりも、3レップの重量を伸ばしていって、換算上の1レップ重量を更新するイメージです。
例えば、200キロが目標の人であれば、186キロ台で3レップできるようになれば200キロを達成できる計算になります。
【超重要】真面目すぎるとダメ!
ここで見てきた山本俊樹さんのスクワットメニューは、週2~3回で行うことを想定しています。
しかし、特に終盤で高重量を扱う段階になれば怪我のリスクも高くなるので、調子が悪ければその日はトレーニングを行わないという判断も必要です。
また、使用重量についても自分のコンディションを図りながら行うことが大切で、「決めた重量を必ずやる!」という使命感で頑張り過ぎると怪我につながります。
無理そうなら重量を下げても構いません。
このような考え方は、限界まで追い込む傾向があるボディビルダーのトレーニングとの違いのような気もしますね。
山本俊樹さんによれば、「真面目過ぎてもダメ!」とのこと。
筋肥大期では怪我は比較的しにくいと思いますが、最大筋力期は怪我のリスクが高くなっています。プランにこだわらず柔軟に考えながら継続することが大切です。
例えば、最大筋力期であっても、一時的に筋肥大期にもどってトレーニングするのも有効です。重量が軽めになる筋肥大期では、関節への負担を抑えてコンディションの回復を図ることができます。
さらに応用編として、スクワットができないときはスクワットの代わりに、ボックススクワットやマシンのレッグプレスを組み合わせて行う選択肢もあります。
以上が、山本俊樹さんが指導する高重量スクワットのやり方です。
既にスクワットのフォームが出来上がっている、かなりレベルが高い人のためのメニューという印象を持ちました。
個人的には、最大筋力期への挑戦は、基礎筋力が備わり、フォームをしっかりとることができるようになった後の方がよさそうですね。
自分のレベルやコンディションを見極めながら、重さにこだわったスクワットを取り入れてみましょう!